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腰痛の原因はお尻の筋肉の硬結!
腰痛の原因はいくつか考えられますが、その中でも大きな原因の一つである、お尻の筋肉について、お話をします。
お尻が腰痛の原因と聞くと、「私が痛いのはお尻じゃない。痛いのは腰なの。」と思う方がおられるかもしれません。でも実は、腰痛の原因のほとんどは痛い場所にはないのです。
その理由を簡単に言うと
◆腰痛がどうして発生するのか
・人間の体の筋肉はつながっている
・さらに筋肉を覆っている筋膜は全身タイツのように繋がっている
・そのため、筋肉のどこが硬くなっている(硬結と言います)とその箇所の筋肉と筋膜が縮む
・そこと繋がっている痛みを発生しやすい箇所に痛みが発生する。(痛みが腰に来る人、膝に来る人、肩こりに来る人、痛みを感じない人、など様々)
と言うメカニズムです。
腰痛がどうして発生するのか、については、西洋医学でも様々研究されているのですが、レントゲンなどの画像診断で原因が明確になる腰痛は全体の15%しかないと言うデータもあります。(出典:厚生労働省「腰痛対策」)つまり85%の腰痛は原因不明ということなのです。その後も沢山の研究者たちが様々な研究をしているのですが、実のところ、統一した見解は存在していないのです。
私はこれまで多くのお客様の整体を手掛けてきた中では、先ほどのメカニズムが最も有力と考えています。
その中でも「お尻の筋肉」は上半身を支えている筋肉の中でも重要な筋肉の一つです。お尻の筋肉そのものが何か痛みを感じる、ということは少ないと思うのですが、実はお尻自体は立っている時も、座っている時も、上半身を支えている筋肉として、働いているのです。
働いていないのは横になっている時だけかもしれませんが、横になっている時には逆に昼間疲れたお尻の筋肉が寝ている間に固まってしまって、朝起きた時に腰が痛い、ということになってしまうわけです。
お尻の筋肉の硬結を放っておくと
では、お尻の筋肉が硬結しているのをそのままにしておくとどうなるのでしょうか。いくつか考えられます。
・腰痛の原因になる。
・肩こりの原因になる。
・膝痛の原因になる。
・骨盤の歪みの原因になる。
このように書くと「え?腰痛だけじゃないの??」と驚く方もおられるかもしれません。
先ほども書いたように、筋膜は全身つながっているので、お尻の筋肉に硬結があると、お尻の筋膜が他の筋膜を引っ張って、その影響は腰、肩、膝などの痛みの原因に波及するのです。
では、どうしたら良いのか?
お尻の筋肉を緩めることがとても大切です。お尻の筋肉を緩めることで、腰痛、肩こり、膝痛、骨盤の歪みの改善に結びつけることができます。もちろん個人差はあるので、誰もが全ての痛みがゼロになることは難しいですが、多くの人の改善が見込まれる可能性は高いです。実際に私の整体院にいらしている方にお尻の筋肉を緩めることによる効果は多く出ています。
お尻の筋肉のどこを緩めるのか
お尻の筋肉は大臀筋、という大きな筋肉で覆われています。大臀筋の下には中臀筋という筋肉があります。その下には梨状筋という筋肉があります。
梨状筋というのは、仙骨と呼ばれる骨盤の後ろの真ん中にある屋台骨の役割をする骨から、大腿骨と呼ばれる腿の骨の根本まで伸びている筋肉で、大腿骨を外に回す時に作用する筋肉です。そう考えると脚を開く時に必ず使っているので、一日中働いている筋肉ですね。
緩める箇所としてはその梨状筋がある箇所を中心にして、その周辺を緩めます。
梨状筋の横には坐骨神経という太い筋肉が通っています。この坐骨神経という神経は足の裏まで伸びている神経で、人間の最も長い神経とされています。なので、梨状筋周辺を緩めてケアするということは、坐骨神経のケアにもなります。梨状筋が硬結を起こすと坐骨神経痛の原因にもなりますので、ケアはとても大切です。
事前の状況を確認
行う前に、今の腰の状態を確認してからマッサージを行いましょう。
確認方法としては、以下で行うと良いです。
・前屈。右前屈、左前屈、正面の3箇所。
・上半身を左右に倒す。
・上半身を左右に回旋させる。
・後屈する。
どの動作の時に、どの箇所が痛いのか、どのくらい痛いのか、を確認してください。終わった後と確認してください。
テニスボールでお尻簡単マッサージ
お尻の筋肉のケアの方法は大きく分けて、ストレッチとマッサージがあります。今日はテニスボールを使って、簡単に自分でできるマッサージ方法についてご紹介します。
特に仕事の合間でも、休憩時間等に椅子に腰掛けてできる方法をご紹介します。
1. テニスボールを用意。
※ テニスボールの代わりにマッサージボールなどでもOKです。また、500mlのペットボトルなどの底の角で代用もできないことはないですが、ボールを入手いただくことをお勧めします。
2. 背もたれがある椅子に腰掛ける
3. 体を横向き(左右どちらからでもO K。終わったら反対を行います)にして、両脚を伸ばして座る
4. 背もたれに肘をかける(肘掛に肘を置くように)
5. 少しお尻を浮かせて、お尻にテニスボールを当てる
※ ボールを当てる箇所としてはおしりの上、ベルトの高さあたりにある硬い骨(骨盤の後ろ側)から指4本分下の付近。少し凹んでいる、お尻のエクボみたいな箇所。ここの下あたりに梨状筋があります。
6. テニスボールの上にお尻を下ろす。
※ この時、人によっては痛みがあるかもしれません。痛みが強く感じる人はボールとお尻の間に座布団やタオルなどを挟んだりして、強さを調整してください。
7. イタ気持ち良い箇所を見つけて、ボールを当てる。
8. 上半身を後ろにそらして、ボールに体重をかける。腕で上半身を支えて、ボールに当たる強さを調整する。
9. 上半身を前後に少し振動させる。これを30秒から60秒続ける。
※ 1.〜9.を行ったら、反対のお尻を行う。
※ 呼吸は止めないように注意してください。
お尻の筋肉のケアで快適に過ごしましょう
テニスボールを使ったお尻の筋肉のマッサージ、左右それぞれ1分ずつなので、準備含めても3分もかかりません。行うのは仕事の休憩時間などの合間や、家でテレビを見ながらなど、くつろいでいる時、でもできるのは、是非、試してみてください。
テニスボールを使ったお尻の筋肉のマッサージは、椅子の上ではなく、布団やベッドの上でもできるので、ボールを寝床に用意して、朝起きた時や就寝前などに行うこともできます。朝起きた時に腰が痛い、という人にもお勧めですし、就寝前に行うと血行も良くなりますので、熟睡に繋がります。
マッサージを繰り返すことで筋肉も柔らかくなってきます。初めは痛く感じても柔らかくなると次第に痛みが和らいできます。是非何度も繰り返してください。毎日行うと良いと思います。習慣にすることで、快適な毎日を過ごしましょう。
今日ご紹介した方法以外にも腰痛や肩こりにお悩みの方向けに色々なストレッチ法を紹介してるので、他のブログや動画もぜひご覧ください。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。